2009年3月 2日 (月)

2月28日から3週に亙り毎週土曜日放映の「白洲次郎」について

優れた番組に感激しました。出演している役者に憧れる視聴者も多いと思います。それ故に一言、苦言を申し上げます。
それは、タバコを吸うシーンが多くあることです。現在、ハリウッドの作品でもTV放映ものにはタバコを吸うシーンは避けられいるのが常識になっております。その理由は申すまでもなく、タバコの弊害への配慮であります。視聴者の視聴料に支えられた公共放送を自認されているNHKがタバコを宣伝することに加担するようなシーンを数限りなく含んだドラマを週末に放映することに憤りを禁じ得ません。かつて(半世紀も前です)、多くのハリウッド映画がタバコ産業の財政的支援のもとに有名俳優にタバコを吸うシーンを多く取り入れさせたということがあったと聞いております。NHKがタバコ産業の支援を受けてこの週末番組を制作しているのですか。直ちにタバコのシーンをカットしていただけるよう切に望みます。
一視聴者

2008年5月19日 (月)

舛添厚生労働大臣へアレルギー医療改革を箴言する書状を発送

アレルギー疾患に苦しむ全国の皆様へ

標記タイトルにつき、以下の書状を発送しましたことをご報告いたします。なお、添付書類については、本ブログの該当日記をご参照ください。  as

東京都千代田区霞ヶ関1-2-2

厚生労働省舛添要一大臣殿

謹啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。突然のお手紙を差し上げる無礼をお許しください。 

  私は久我山アレルギー患者の会の発起人であります。これまで請願による方法も含め、2度に亙って当会の有志と共に貴省にアレルギーの医療改革を求めて陳情に参っておりますが、今日に至るまで何らの変化の兆しも見られておりません。

 私は当患者の会を代表し貴大臣に直接アレルギー医療改革にご尽力していただきたく、切にお願い申し上げます。 

お願いは、一にも二にも、現在、日本で行われている50年前から続いているアレルギー医療を改め、アレルギーの根本治療法としてWHOが認定している最新レベルのアレルギー免疫療法(アメリカでは広く行われています。)を一刻も早く日本に実現していただきたいということであります。

同封の書類コピーは私どもが要求の根拠とする理由を示すものであります。

現在日本の医療機関で行われている薬物による彌縫的な対症療法のレベルでは根本的なアレルギー治療になっておらず、多くのアレルギー疾患に悩む患者のために一刻も早い対応をお願いいたします。

                               平成20年5月19日 

                                                                                                             謹白

                                                                   久我山アレルギー患者の会 発起人

舛添厚生労働大臣へアレルギー医療改革を箴言する書状を発送

アレルギー疾患に苦しむ全国の皆様へ

標記タイトルにつき、以下の書状を発送いたしましたのでご報告いたします。なお、添付書類については本ブログの該当日記をご参照ください。   as

東京都千代田区霞ヶ関1-2-2

厚生労働省

舛添要一大臣殿

謹啓 時下益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。突然のお手紙を差し上げる無礼をお許しください。

 私は久我山アレルギー患者の会の発起人であります。これまで請願による方法も含め、2度に亙って当会の有志と共に貴省にアレルギーの医療改革を求めて陳情に参っておりますが、今日に至るまで何らの変化の兆しも見られておりません。

 私は当患者の会を代表し貴大臣に直接アレルギー医療改革にご尽力していただきたく、切にお願い申し上げます。

 お願いは、一にも二にも、現在、日本で行われている50年前から続いているアレルギー医療を改め、アレルギーの根本治療法としてWHOが認定している最新レベルのアレルギー免疫療法(アメリカでは広く行われています。)を一刻も早く日本に実現していただきたいということであります。

同封の書類コピーは私どもが要求の根拠とする理由を示すものであります。

現在日本の医療機関で行われている薬物による彌縫的な対症療法のレベルでは根本的なアレルギー治療になっておらず、多くのアレルギー疾患に悩む患者のために一刻も早い対応をお願いいたします。

平成20年5月19日 

謹白

久我山アレルギー患者の会

2008年4月28日 (月)

第14回アレルギー週間中央講演会に出席して

第14回アレルギー週間中央講演会

場所 九段会館ホール

2008年2月23日

総合司会 :河野陽一先生/(財)日本アレルギー協会理事
開催挨拶 :宮本昭正先生/(財)日本アレルギー協会理事長

第一部       基調講演

基調講演Ⅰ アトピー性皮膚炎の基本戦略――飯島正文先生(昭和大学医学部皮膚科教授)

“アトピー性皮膚炎をアトピー皮膚に戻そうよ!”

①アトピー性皮膚炎とは

 どんな病気 ?  なぜ起こる ?  治療方針は ?

アトピー性皮膚炎による疾患を治療して元のアトピー皮膚に戻すことが医師の仕事

今から10年前、アトピー性皮膚炎の治療では、何が問題とされていたのか

     ステロイド外用剤は悪魔の薬!―――否

     ステロイド拒絶症と医療不信 ―――それに便乗したアトピー商法/アトピービジネスの横行

②上原・大藤、HanifinRajka、及び日本皮膚科学会の診断基準の紹介

③アトピー性皮膚炎治療における問題点

     アトピー性皮膚炎は「アレルギー」が全てか?

     アトピー性皮膚炎は「バリア機能異常」が全てか?

     アトピー性皮膚炎における「嗜癖的掻破行動」

④アトピー性皮膚炎と角層細胞間脂質

・アトピー性皮膚炎患者の病変部皮膚では角質細胞間脂質(特にセラミド)が著明に減少している。

・アトピー性皮膚炎患者出では無疹部においても、正常コントロールと比較して角質細胞間脂質(特にセラミド)が有意に低下している。

⑤アトピー性皮膚とはどんな皮膚?

 例えて言えば、鰐(出雲地方では鮫のことを鰐と言った。)を欺いて毛皮を剥がされた「いなばの白兎」状態である。

 -正常な毛皮の兎は、海水を浴びても、風に当たっても平気である。毛皮を剥がされた「いなばの白兎」にとっては、塩水も風も刺激となって苦痛である。大国主命の指示は、真水で洗う(清潔)+蒲の花粉(治療薬)=スキンケアであった。

⑥アトピー性皮膚炎とアトピー性皮膚

    前者は病気であるが後者は病気ではない。

     アトピー性皮膚とは、角質細胞間脂質、特にセラミドの低下により皮膚のバリア機能が障害された、先天性・遺伝性に生じた「乾燥肌・過敏肌」である。従って・アトピー性皮膚炎患者にとって・アトピー性皮膚とは、生理的な皮膚状態である。・アトピー性皮膚を基盤にして発症した皮膚炎=湿疹が・アトピー性皮膚炎(病気)である。

⑦アトピー性皮膚炎の治療目標

アトピー性皮膚炎はどこまでなおせばよいのか?

→病的な・アトピー性皮膚炎の状態を(生理的な)・アトピー性皮膚に戻すことが治療の第一目標

 そして、適切なスキンケアによる・アトピー性皮膚のコントロール治療の最終目標

⑧アトピー性皮膚炎治療における問題点

               アトピー性皮膚炎は「アレルギー」が全てか?

→「アレルギー」が全てではない。体調、気持ち(神経質)などが影響する。

     アトピー性皮膚炎は「バリア機能異常」が全てか?

→「バリア機能異常」が全てではない。ストレス解消策など。

     アトピー性皮膚炎における「嗜癖的掻破行動」

→「嗜癖的掻破行動」は小児も例外ではない。

⑨アトピー性皮膚炎の治療目標

 アトピー性皮膚炎はどこまでなおせばよいのか?

 →アトピー性皮膚炎の2段階治療戦略

  第一段階 病的なアトピー性皮膚炎の状態をアトピー性皮膚に戻すことが治療の第一目標(ステロイド外用剤、プロトピック軟膏,重層処置、教育入院)

  第二段階 適切なスキンケアによるアトピー性皮膚のコントロールが治療の最終目標(保湿薬、止痒薬、ストレス対策)

アトピー性皮膚炎に関する質問及びそれに対する回答

1.アトピー性皮膚炎の治療

  アトピー性皮膚炎とアトピー性皮膚に分けて、炎症がある場合には、まず短期決戦で適切な治療で湿疹があればまずそれを治す。そしてアトピー性皮膚の状態に戻すこと。それから保湿剤などで対処することになる。

パッチテストなどやってもだめでユーステスト=使ってみないとわからない。医薬品メーカーの作る尿素材よりも化粧品メーカーの作る尿素材による方が推奨され、これにより湿疹を治しスキンケアをすることをお薦めする。

2.アトピー性皮膚炎や喘息は遺伝するか

  なりやすい体質は遺伝するが、それが発現するかどうか、また後天的な刺激により出た場合の重症度は生まれた後の対処の仕方如何(スキンケア)で異なる。

3.ステロイドの副作用

  ①塗り続けることにより体内に留まるということはない。90年代にこの懸念が各種の温泉治療その他の商売が氾濫した。

  ②非常に有効であるが副作用はある。中等度・強力・最強なものまであるが、作用・副作用のバランスを踏まえて使用をすることになります。3日後、1週間後に様子を見るなど医師の監視下で行います。最悪の使用方は中等度のステロイド剤を長期間使い続けることである。

  ③副作用のために絶対に使ってはならない皮膚病の例:たむし、水虫、いんきんなど

    顔には長期(6ヶ月以上)に使ってはいけない。白内障、緑内障の原因になる可能性あり。

基調講演Ⅱ 食物アレルギーの対応について――向山徳子先生(同愛記念病院小児科部長)

     食物アレルギーの意義:食物を摂取することによって起こる体質的な過敏な反応。皮膚や消化器、呼吸器など全身に症状が出る。多くは原因となる食物を食べて1~2時間以内に症状が出るが、少し時間をおいて出る場合もある。

     食物アレルギーの対応は自分の体にとって過敏な症状を起こす食物を食べないようにすること。子供の食物アレルギーは、年齢が大きくなるにつれて次第に改善する。少しずつ加工した食品から食べていくようにする。

     食物アレルギーの頻度

  3歳以下の子供では約8~10%、ただし年齢と共にだんだんと少なくなり、成人においては約2%とされている。

     食物アレルギーの原因食品

わが国において頻度の多いものとして、卵、牛乳、小麦,そば、ピーナツなどがあげられる。魚介類、野菜、果物、肉類などによるアレルギーもある。

     食物アレルギーが起こるしくみ

      体質と消化機能が大きく関係している。食することによって体内に吸収された分子が体にとって異物と判断されて、IgE抗体が作られ、その結果アレルギーの症状がおこる。

     食物アレルギーの症状

最も多いのは皮膚症状であり、皮膚が赤くなり、かゆみやじんましん、湿疹などが出る。多くは食後30分~1時間以内に起こる。

消化器症状では、吐き気、腹痛、下痢などの症状がみられる。

呼吸器の症状としては、せきが出て、ゼーゼーとした呼吸の状態になる。最も重い症状としては、血圧が下がって顔色が悪く、意識が朦朧とする状態=アナフィラキシーショックがある。多くは食後15分以内に起こる。

     食物アレルギーの診断

医師による問診→血液検査・皮膚テスト→IgE抗体の量または食物経口負荷試験(原因アレルゲン診断のための最も信頼性の高い検査だが、アナフィラキシーショック症状を起こす虞あり)。

症状を予防する方法としては、原因となる食物を食べないようにする除去食療法が基本となる。

食物アレルギーに関する質問及びそれに対する回答

 1.一歳の子供が食物アレルギーのため食事療法と半年以上抗アレルギー薬を服用しているが副作用などの心配は?

 →抗アレルギー薬は大きく分けると2種類ある。一は症状にあわせてその症状をとる抗アレルギー薬と二は食事の前にアレルギー症状を起こさないようにする予防のための抗アレルギー薬がある。子供の場合はおそらく二の抗アレルギー薬を使っているのであろう。一年使用位では特に悪い副作用に結果することはないので、使用を続け症状の改善を待ってだんだん抗アレルギー薬の量を減らし様子をみるのがよいであろう。抗アレルギー薬は予防的な効果があるのでアレルギーが起きてから服用するのではなく、半年、1年と続けることによって効果が期待できる。

→アレルギーのある食物に対する食事療法としては、最初は加工食品から始めだんだんと加工していない生のものへと進んで行くのが良いでしょう。

2.学校給食への対応=対応血液検査で+3と出た食物について

 →どの程度たべられるかを医師に診断書なり指示書(共通のフォームはない)という形で書いてもらって提出すべき。

→ただ、+3といっても離乳食時は強い反応が出たとしても3歳位になると反応が変わってくるなど、年齢が進むにつれて変化するのでその考慮がいる。この辺は医師と相談の上で対応すべき。

3.乳幼児期に麻疹の予防接種で反応が出たとしても年齢が幼稚園児ぐらいまたは学齢期になるとアレルギー反応が弱まり接種を受けられるようになることもある。

4.カレーチャーハンお食べて30分後にアレルギー発作を起こし救急車で病院へ搬送された。毎回出るわけではない。

→毎回出るわけではないという点については、乳幼児については必ず出てもある程度の年齢に達すると常に反応が出るわけではなく、これは体調の変化に起因していることがある。激しい運動の後とか、風邪をひいていたために解熱剤を飲んでいたとか、頭痛薬を飲んだあととかは反応が強く出ることもある。ただ、同じもので何度も症状が出る場合には、それに合わせた注射や飲み薬もあるので、医師と相談することを薦める。従って、その場合場合の状況を医師に伝えることが重要である。

基調講演Ⅲ.「花粉症治療の正しい理解と実践」

――増山敬祐先生(山梨大学医学部耳鼻咽喉科・頭頚部外科教授)

①花粉症とは=花粉によって起こる鼻炎、結膜炎

普通の風邪はウイルス感染故たいてい1週間くらいで自然に症状はなくなるが、花粉症では症状が花粉が飛び止むまで続く。

②くしゃみ、洟水、鼻づまりといった症状の種類=生理的な防御反応

 味覚性鼻炎,化学性鼻炎、冷気吸入性鼻炎(スキーヤー鼻)、

花粉症は仕組みが異なり、花粉に対するアレルギーで起こる。

 花粉→抗体が産生→肥満細胞に付着→肥満細部が活性化→ヒスタミンやロイコトリエンを遊離→神経、分泌線,血管を刺激→花粉の侵入を防ぐためのくしゃみ反射、洟水、鼻詰まりとなる。この症状は花粉の飛散が終了するまで続く。

③花粉の飛散時期

 日本の花粉症の8割以上はスギ、ヒノキ花粉症であるがその飛散時期は、

スギ(1~4月初旬)、ヒノキ(3月中旬~5月連休)である。スギ花粉症の7割がヒノキにもアレルギーがある。そのほかにも花粉症の原因植物はあり、

イネ科のカモガヤ(5月~7月)、キク科のブタクサやヨモギ(8月~10月)

北海道の花粉症はシラカバでありスギはごく一部に限られる。

④花粉症の診断

 花粉の飛散時期

 スギ(1月下旬~4月初旬)、ヒノキ(3月中旬~5月連休)

スギ花粉症ではその7割がヒノキにもアレルギーがある。→この時期に鼻炎と結膜炎の症状が出る。日本の花粉症の8割以上はスギ・ヒノキの花粉症です。

そのほかの代表的な原因主として、イネ科のカモガヤ(5月~7月) キク科のブタクサやヨモギ(8月~10月)などがその代表である。なかには多くの花粉に反応する人もいる。

また地域によっても花粉の種類は異なり、北海道の花粉症はシラカバでありスギはごく一部の地域に限られている。

診断の必要条件は花粉の飛んでいる時期に症状があること→次に原因となる花粉の検査をする→1は皮膚テスト(皮膚が赤く腫れるのをみる)→次に血液検査でその花粉に対する抗体=IgE抗体が血液中にあることを調べる。

⑤花粉症のセルフケアと治療

セルフケア

 検査で花粉症の原因となる花粉がわかったら、症状が悪化しないようその花粉をできるだけ吸い込まないようにすることがセルフケアとして大切である。→マスク・メガネの着用は鼻や眼にはいる花粉の量を減らす。外出時には衣服の素材にも注意が必要(特にウールは花粉がつきやすい素材、帰宅時には家の中に花粉を持ち込まないように玄関先で衣服についた花粉を落とし、体に付着した花粉は、うがい、洗顔、洗眼で洗い流す。洗眼には防腐剤無添加人工涙液がある。)

薬物療法

 次に、薬物療法では、症状が少しでも出始めたらまたは症状が出てなくとも飛散が始まったら治療を開始する。→これは初期療法といって飛散ピーク時の症状悪化を和らげる効果がある。眠気の少ない第2世代の請う抗ヒスタミン剤がよく使われるが点鼻ステロイド薬も早めに併用するとより効果的である。大切なことは飛散が終了するまで継続することである。

根本療法としては免疫療法(減感作療法)がある。

 これは体に花粉蛋白を少しずつ量を増やしながら注射することによって、花粉に対するアレルギー反応を弱めていく方法である。少なくとも2~3年の治療が必要で、60~70%に有効でうまくいくと治してしまう可能性もある。ごくまれに副作用があるので専門医での治療が必要である。

最後に、手術療法として」レーザー手術なども行われている。

     粘膜のごく表面を焼いてアレルギー反応を弱めようという試みですが、花粉の飛散量などによってもその効果は変わるので評価は難しいようである。また根本療法ではないので再発もあることを認識しておく必要がある。

質問及びそれに対する回答

1.OTC(?)という薬局で購入した花粉症の薬を継続して服用しているが副作用は?

 →これは佐藤製薬ら出ているものであるが、これは風邪用の鼻炎薬であり短期間使用するためのものである。花粉症はスギ花粉の場合3ヶ月位続くわけであるが、風薬をしょっちゅう飲むと、この薬の成分は所謂第一世代の抗ヒスタミン剤であり、抗コリン作用といって劇的に鼻水は止められるが血管収縮の作用があるが長期に使用すると緑内障といった副作用がある。従って、1週間位使用して治らないようであれば医師に相談するようにと書いてあると思う。現在病院で使用されているCTOCと言われている第二世代の抗ヒスタミン剤は眠気の少ないものがあるので、担当の医師に相談されて対応することを薦める。いずれにしても、市販の薬を長期に亙って使用することは避けるべき。

2.花粉症のレーザー治療の効果は?

  →鼻の粘膜の表面を焼くことによって抗原の浸入ができるだけ抑えられる。これによりアレルギー反応を抑えるという治療法であるが、ただ、根本的な治療法ではない。時期的には前の年の11月か12月にこれを行って次の年の花粉飛散に備えるというもの。花粉の飛散の程度による比較もはっきりしていない。また、あまり例がないのと、ステロイド剤の効果との比較もないし、1回やってその効果が継続するという記録もはっきりしない。もしかしたら毎年やらなければならないかもしれない。薬の副作用の出やすい人の場合には前の年に予めやっておけばアレルギー反応が抑えられる効果があるので、選択肢の一つともいえる。

3.減感作療法が欧米のように普及しない要因とその打開策は?

 →アレルギー免疫療法は現在、唯一アレルギーを治療できる治療法とされている。欧米では花粉症について舌下免疫療法が主流になってきているとされています。日本では、まず、第一に、免疫療法をやるための抗原の標準化(ばらつきがないようにする)が遅れていて、一つだけスギの標準化抗原だけはある。次に、日本では免疫療法はなかなか評価されていなくてビジネスとしても副作用があるので成り立たなくなっている。ナフィラクシーショックがあるというので日本では普及していない。それと、喘息については吸入ステロイドという優れた薬ができたのでこちらが主流になっている。しかし、アレルギー学会としては抗原の標準化や点数制度を整備していく方向で動いていています。まずはスギの舌下の免疫療法で動いているという状況である。

基調講演Ⅳ.新しいガイドラインに沿った喘息治療法

―大田健先生(帝京大学医学部内科学教授)

 ① ぜんそくの定義      ぜんそくによる死亡数   治療の目標

  ⅰ.可逆性の気道閉塞   2004・・3283  ・健常人と変わらぬ日常

  ⅱ.気道の過敏性     2005・・3198   生活が送れること

  ⅲ.慢性の気道炎症    2006・・2778  ・正常な発育が得られること

②はじめに

 ぜんそくは、発作性の喘鳴、呼吸困難(息苦しさ)などの症状を特徴とし、場合によっては死につながる程の重い発作を起こす可能性がある。近年の医学の進歩により、ぜんそくは気道に炎症のあることが明らかとなり、炎症を治療することが重視されるようになった。

ぜんそくの患者は、成人で3~4%、小児で6~7%と言われるくらい多いが、必ずしもぜんそくを専門にする医師が診療にあたっていない。蓄積されたデータと専門家の意見を集約して、良いと考えられる治療を纏めたものがガイドラインである。日本アレルギー学会で作成されたガイドラインにそったぜんそくの治療を紹介する。

治療には、①発作に対しておこなう治療と、②良い状態を維持するために継続的に行う長期管理と呼ばれる治療、があるが、患者自身の理解と協力に依存する長期管理について述べる。

③ぜんそくの段階的治療

 長期的管理では、ぜんそくの状態を4段階に分け、患者ごとに当てはまる状態(重症度)で推奨される治療を選択し実行する。

 4段階の内容は、ステップ1が(軽症)間欠型で症状が毎日はない状態、ステップ2が軽症持続型で症状が毎日ではないが毎週ある状態、ステップ3が中等症持続型で生活に支障はないが症状が毎日ある状態、ステップ4が重症持続型で症状が毎日で生活に支障をきたしている状態である。そして、実行している治療で効果が不十分であれば、治療の強化(ステップアップ)、十分な効果が3ヶ月以上持続すれば治療の軽減(ステップダウン)を実行する。

④長期管理薬

 喘息の長期管理においては、喘息の症状に対する薬とともに、病気の背景にある炎症を鎮めるための薬が投与される。

 ⅰ.吸入ステロイド薬

   A  炎症を抑える効果が最も強力な薬で、吸入で使用するので副作用は最小限で安全性の高い薬剤である。

      B 6歳以上の小児および成人のぜんそくにおける長期管理で中心をなす薬である。

    とくに成人では吸入ステロイド薬がステップ1からステップ4に至る各ステップで推奨される。

C  小児でも年長児(6~15歳)ではステップ2から、乳児(2歳未満)および幼児(2~5歳)ではステップ3からステップ4までで基本治療として位置づけられる。また幼児ではステップ2で考慮となっている。ドライパウダーのフルチカゾン(FP)とブデソニド(BUD)、代替フロンのHFAを用いたBFDFP、シクロセニド(CIC)が使われている。

 ⅱ.その他の治療薬

   除放性テオフィリン薬は長期管理に有効で、吸入ステロイド薬との併用は、吸入ステロド薬を倍量にするのと同等もしくはより優れた効果を表す。

  長期間作用性β2刺激薬には、吸入薬、貼付薬、経口薬があり、其々について有効性が示されている。また吸入ステロイド薬との併用では、吸入ステロイド薬を単独で倍量にするより優れた効果を示しており、FRでは長時間作用性β2刺激薬で吸入薬のサルメテロールとの配合剤がある。

   抗アレルギー薬には、多種類があるが、ステップ1から4まで推奨されるのがロイコトリエン受容体拮抗薬で、アレルギーの関与の有無に関係なく用いられる。吸入ステロイド薬との併用は、ステロイドの減量効果を示すことや、低容量あるいは高容量の吸入ステロイド薬で不安定な状態を安定化させることが期待される。

質問およびそれに対する回答

1.小児喘息について、吸入ステロイド薬の使用の是非、安全性、吸入行為は自分でできるか、喘息は治るのか?

  →、吸入ステロイド薬の使用は広まってきてはいるが、日本ではまだ歴史が浅い。ただ吸入ステロイド薬そのものは20年以上の歴史の中で使われてきております。特に副作用についてはしっかりとしたデータの蓄積がありますが、小児については特に成長とのかかわりが重視されて、副作用が短期的には成長に影響があったということが発表されたときにはびっくりしたが、結局、長い期間のフォローアップによって長期的には成長して大人になったときには普通の人と同じような成長を回復していたことが明らかになったとされている。小学校から成人に成長して行く過程において有効な必要な量を選んで使っていくことで対応することになる。安全性という点からは、例えば、重症度のより高いレベルではステロイドの使用量も高いが、3つのレベル(低容量,中容量、高容量)について、高量度に使わなければならない場合があるのだが、この場合には成長に対する抑制効果あるのではないかということが慎重に調べなければならないが、一般的な統計としては薬剤の最高量を使っても現在では安全度はきわめて高いとされている。局所的な影響についても、血が薄くなったり、色素の沈着あるいは逆に白くなったり、などということが懸念されたが、これについても、長年の蓄積されたデータによって、返って、気道がきれいな状態になっているということが証明されている。基本的には、吸入ステロイド薬の安全性に関しては、専門医のもとできちんとした量を使うことで、使わないよりは使うほうが良いということが証明されている。

 →吸入行為として現在イゲソリドという薬剤があるが、ネブライザー液をつかって赤ちゃんにでもそれを使うことができる。もう一つの工夫としてはスペーサーという器具を使う方法でそれにエアゾルをかけておいてそれを吸わせるという方法である。吸入行為は5歳を超えると自分でもできるし、その前の段階では周りの人の補助によって吸入を開始できるといえる。それから、吸入ステロイド薬の普及によって、幼児の頃から吸入ステロイド薬による治療を開始しこれを積極的に進めたときに実際に注意率(?)が高まるかということが現在研究されている。

 →一般に小児喘息の5、6~7割は成長により完快(無症状・無治療)になるという結果と、そうではなく自然経過の中では治らないという研究結果も出ている。しかし、一般に小児が爾後完快になる場合はより軽症である場合について当てはまるということがいえる。

 →成人喘息についても同じことが言える。成人についても1割弱の人は軽症であった場合は25年後には無症状になり、気道の過敏性も消えているという結果がでている。軽くて完快しやすいタイプに属さない人たちは早くから吸入ステロイドを使うことによって前者のグループに入ってくるというよい結果がでている。

司会者(河野) 従って、ステロイドは副作用のない薬ではないが、その使用はトータルとして悪い結果よりも良い結果の方が出ているということがいえる。

2.ステロイドの使用を中止してよいか

喘息は慢性の気道炎症であるから、調子が良い場合でも、ステロイドを停止するかどうかは医師と相談の上で決めたほうが良い。医師の評価を受けることが必要で、受診は続けた方がよい。

3.測定結果と症状の発症が食い違うことがあると聞くが、アレルギー血液検査は信用できるか?

アレルギーの血液検査はある異物に対してIgEの抗体が作られているかを調べるもの。IgEがあるかないかの検査結果がでてくる。もう一つ重要なのは病気というものは抗体があっても喘息にかかっているとは限らない。ある研究によると、ある医学生のダニに対する抗体を調べて行くとどんどん殖えていって90%ぐらい陽性の抗体反応があったとしても、だからといってその全てが喘息になるわけではなく、その中の多くとも1割ぐらいが喘息になるに留まっているとされる。結局、アレルギー疾患は抗体があるとともに発症する病気によって、例えば、喘息では、気管支、気道、そして肺、それらが喘息を発症するための状況にあるということで、たとえば気道が敏感になっている、そういう素因があるということで、発祥すると考えられる。勿論、抗体は重要な因子としては考えられるが、陽性だから病気になるというようにはつながらない。

いくつかのデーターに加わって陽性ということが因子としてとらえられる。

その他の質問

1.顔にステロイドを使うことは避けるべき

2.毎年11月頃に口の周りに湿疹ができ、知らぬ間に消えてゆく症状は?

(飯島)学生の場合はレポート提出、社会人の場合は監査の時期など、ストレスのせいではないか。眼と口の周りが一番掻き易い場所、アレルギーでは決してなく、ストレスか嗜癖的掻破行動のケースが考えられる。

(増山)どこに住んでいるかにもよるが時期的に花粉症の可能性は低いと思う。

3.数年前から果物を食べると口の中がはれたり、痒くなるのだがその原因は?

(向山)多分,口腔アレルギー症候群ではないか、アレルギーの一つの症状で、花粉症ともつながっていることがある。痒い場合は患部に抗アレルギー薬を塗るとか、果物を特定できる場合にはしばらくそれを避けるのが良い。

(増山)北海道では春先に飛ぶシラカバの花粉症との関係で口腔アレルギー症候群が問題となっている。スギ花粉症でも少ないが報告されている。

4.喘息患者について咳も出ないし、痰が出ないので薬を止めてもいいか?

(大田)吸入ステロイド薬はむしろ増やすべき。症状があるときに薬の減量は絶対にできない。

感想

            

講演会は第1部基調演説と第2部パネルディスカッションから構成されていたが纏めの都合上各演者ごと末尾に記載した。後者のパネルディスカッションはその意味するところ(ある問題について対立する意見を持つ数人が聴衆の前で討論を進め、後に聴衆の参加を求めるという討議法=大辞泉)とは異なり、予め出席者から出された質問の中から主催者側が選んだものに意見を異にしない演者が答えるというのが実態であった。因みに昨年の講演会も同じで、当日の講演会を聴取した出席者から結果として起こる疑問・質問には答えないことが前提になっており、会場を去るにあたり、聴衆の一人としてやり場のない不満が残り、忸怩たる思いで帰途についた。

第14回アレルギー週間中央講演会に出席して

   第14回アレルギー週間中央講演会への感想

及び

日本アレルギー学会・厚生労働省への提言

久我山アレルギー患者の会発起人

今回の基調演説の演者は4名で、何れも現代日本におけるアレルギー疾患治療について中枢的な立場にある学者である、とのことでありました。しかし、4者いずれにも共通であったことは、アレルギーの原因を究明せずに疾患が起きるとその都度、薬物(主としてステロイド)による対症療法をするということに終始していた点であります。なぜアレルギーが起きたかの原因を究明し、そしてその原因を根本的に治癒するための治療を行うことが欠落しており、従い、根本的な治療を全員が避けているのではないか、という疑問が沸々と湧いてこざるを得なかった。

プリックテスト(スクラッチテスト)や血液テストによるアレルゲンの特定がまずはじめに行われ、特定されたアレルゲンについて免疫療法(減感作療法)による治療によって久我山アレルギー患者の会の900名を超える患者たちはこの15年間に全て快方に向かっています。一刻も早く、このような治療が日本の何処ででも可能となるよう望んで止みません。

小生が提示した、WHOがアレルギーの根本治療法と認定していると聞くアレルギー免疫療法がなぜ日本で普及しないのか、否、普及させないのか、との質問がパネルディスカッションでとりあげられました。しかし、それに対する演者の回答は、①日本にはスギ花粉以外の抗原がすくないこと、②各種の抗原の標準化に莫大な費用と時間がかかること、③減感作療法はアナフィラキシーの危険があり、且つ効果のある場合でもその治療効果に1年半から2年という長時間がかかること、④減感作療法よりも安全で効果のある吸入ステロイドが開発されていること、⑤減感作療法は医師にとって採算に合わない(保険点数が低い)、などという理由でアレルギー免疫療法は否定的に受け取られました。

これらについて、小生の考えは次により反駁しつつ、現在苦しんでいるアレルギー患者を一刻も早く救うべく、WHO認定の根本治療法であるアレルギー免疫療法を広めるための医療改革の実現に向けて、厚労省および医学界の勇断を求めます。

そもそも、日本ではWHOがアレルギーの根本治療法と認定しているアレルギー免疫療法の代わりに根本療法ではない対症療法としての薬物療法(吸入ステロイド)が有効な治療法として一般に普及しておりますが、この治療法はアレルギー(気道炎症)を抑えるという根本治療ではなく、彌縫的な対症療法であることを学者が理解していない乃至理解したくないと思われることに最大の問題があります。

まず、上記①②の問題については、日本で抗原が少ないのは厚生労働省、医学界がこれまで抗原の開発を怠ってきたためであり、そのツケが多くのアレルギー患者が苦しむ結果となっているのです。これを即効的に解決する方法があります。それはアメリカから標準化された抗原をそっくり輸入することです。これを政府によって行い、全国に保険適用レベルで実施することです。アメリカでは既に標準化されたダニ、ネコ、イネ科の草の花粉の抗原ができており、これらによってアレルギー免疫療法が普及しております。小生は10年を超える米国滞在中ぜんそく患者としてこの恩恵に浴しておりましたが、帰国した途端にこの治療を断たれ、死の恐怖に苛まれました。さいわい、日本で唯一この治療法を行っている東京世田谷区の久我山病院を見つけることができ、その治療で健常者と変わらぬ今日の生活を取り戻しております。

政府、学者はアメリカの抗原は日本人に合うか検証が必要と言うでしょうが、これは偏狭な国粋主義的な考えに基づいた捉え方ではないでしょうか。アメリカでは多民族国家を前提とした米国民全てに適用できるものとしての標準化抗原を開発しており、小生自身、アメリカから輸入された34種類の抗原によって治療効果を得ております。ここ久我山病院のアレルギー患者はすべて長屋宏医師のもとでアメリカの標準化された抗原によって治療効果を実証しております。久我山病院ではこの治療法で過去15年間に900名を超える患者がこの治療の恩恵に浴し、この間アナフィラキシーなどのショックは一度も起きていないことをお伝えいたします。アレルギーに苦しむ患者のために一刻も早く抗原輸入を政府レベルで実施し保険適用していただきたい。日本での独自の標準化抗原の開発のための時間をかけている間にアレルギー患者は根本治療から見放され、一時的、彌縫的な薬物による対症療法に放置され続けることは日本のアレルギー学界の歴史にとって禍根を残し続けることになるということに気づいていただきたいと思います。

次に③についてですが、前述のとおり、少なくとも久我山アレルギー患者の会の900を超えるメンバーがこの16年間にアナフィラキシーを起こしたという例はないと聞いております。今回の演者の1人が舌下減感作を安全な治療法として推奨しておりましたが、むしろ、この方がアナフィラキシ-の危険が大なのではないかと思いました。なぜなら、減感作療法では微量の抗原で治療が進むのに対して、舌下減感作では一度に大量の抗原を使用すると聞いているからです。そのような危惧から、喘息患者に対しては舌下減感作を行わない人が殆んどと聞いております。

次に④についてですが、ステロイドは有効な治療法といいますが、これは一時的に気道炎症を抑えるだけで気道の過敏性の原因そのものを減殺する効果はないのではないでしょうか。標準化されたダニを使用したアレルギー免疫療法によって持続する気道の過敏性が抑制されることは、多くの研究によって既に証明されていると聞いております。(長屋宏先生の著になる「日本のアレルギー治療は50年遅れている!」参照)

 さらに、⑤については、医学会がその気になれば保険点数はいつでも改正できるのではないでしょうか。我々、アレルギーに苦しんでいる患者を薬漬けにするだけでなく、アメリカと同程度のアレルギー免疫療法という根本治療法を一刻も早く全国レベルで実現できるよう切に望みます。

 以下に私が作成した第14回アレルギー週間中央講演会の議事録を掲載いたします。

2007年11月 4日 (日)

新旧環境大臣への資料提出について

過去2回に亙る厚生労働省に対する陳情にも拘わらず、同省は当会のアレルギー医療改革の要請に前向きの態度を示していないため、今回は環境大臣に我々の活動を聞いて貰うべく、以下の関連資料を提出することとしましたので報告いたします。  

1. 厚労省への陳情
   19.2.6陳情した際に使用した資料
    →日本のアレルギー医療の実態を改革するよう求めたが、医療改革に対する当事者意識を疑わせるような態度で、厚労省の反応は今日に至るまでなく、一昨年に続く2度目の陳情であったにも拘らず無視されております。
2. 長屋式アレルギー免疫療法の真髄
   長屋宏医師の治療法について、現在日本で一般に行われている治療法とアメリカで行われている治療法と対比して患者の立場ら分析を試みた。
3. 現在の日本のアレルギー学界のリーダーであるといわれる秋山一男博士(国立相模原病院臨床研究センター)への陳情議事録(長屋宏医師のコメント付)
→この資料により長屋宏医師の治療法と現在の日本医学界のアレルギー医療に対する考え方の違いが浮き彫りにされています。
4. 長屋宏先生講演議事録
   長屋先生の治療法の科学的・理論的根拠と現在の日本に於けるアレルギ    
   ー診療の問題点を分析しています。

以上

                                                             久我山アレルギー患者の会
                                                                           発起人  as

2007年9月12日 (水)

公害喘息訴訟和解に寄せて

以下の記事を各方面に提出したいと考えております。

                 久我山アレルギー患者の会 発起人 as

拝啓

2007年8月8日のテレビ朝日の報道ステーションの番組で東京大気汚染訴訟、いわゆる公害喘息の医療費補償を目的とした訴訟の和解が成立したと報じられました。

 東京都民約1000万人の中で50~60万人の公害喘息患者の存在が推定されているとのことでした。この患者数は東京都の人口の5~6%に相当するので、日本における喘息の有症率にほぼ一致します。

 

 もし、大気汚染などの公害が喘息の直接の原因であるとすれば、都内の地域によって大気汚染の程度の差はあるとしても、都内の住民の大半が喘息を経験すると思われます。

従って、都民の5~6%だけが公害喘息になるのは、その5~6%の人には特別な公害以外の直接または間接的な“喘息になり易い原因”(例えば、アレルギー)が存在する可能性が高いと思われます。

 現在、日本も含めて世界中の先進国では若い人の喘息の増加が問題となっています。

1982年から2002年までの20年間に、日本における小児喘息の有症率が3.2%から6.5%と2倍以上に増えました。小児喘息の80%以上が乳幼児期に発症し、90%が6歳までに発症します。

 小児喘息の90%以上はアレルギーが原因でであるアトピー型喘息で、そのアレルギーの最大の原因はダニです。イギリスで子供の喘息患者の80%はダニにアレルギーがあると報告されています。アメリカのフロリダで喘息の治療のために救急病院を訪れた子供の90%がダニにアレルギーがありました。私が1990年に東京都世田谷区の久我山病院に開設したアレルギー外来を訪れた20歳以下の喘息患者の98%はダニが原因でした。       現在、久我山病院のアレルギー外来に通院している18歳以下の喘息患者は全員(100%)ダニが原因で公害被害の認定を受けている公害喘息患者です。

 言うまでもなく、大気汚染は呼吸器疾患がない健康な人にも有害ですが、喘息などの呼吸器病をもっている人には大気汚染による悪影響は健康な人に対するよりも甚大で喘息症状を悪化させることは間違いありません。日本における小児喘息の有症率と公害被害を受けて公害喘息で苦しんでいる東京都民の公害喘息の有症率が偶然にも5~6%で一致していることは、喘息の直接の原因はダニ・アレルギーで、ダニ・アレルギーによって起こっている喘息症状が大気汚染によって悪化している可能性を示唆しているとも考えられます。

 その一つの証拠として、久我山病院に通院している18歳以下の公害喘息患者はは全員(100%)米国製の標準化ダニ・ワクチンによるアレルギー免疫療法(減感作療法)を受けることによって、同じ公害地域に住み続けているにも拘らず喘息症状は全く起きていません。

 このような事実から推察すると、公害喘息の真の原因はダニ・アレルギーであると考えられます。ダニ・アレルギーを根本的治療法である米国製の標準化ダニ・ワクチンを使用したアレルギー免疫療法で治療すると、アレルギーに因る気管支の炎症が抑制されて気管支の過敏性が亢進した状態が改善されることは既に証明されています。気管支の過敏性が改善されれば、大気汚染が気管支を刺激しても喘息症状が起こらなくなります。

 公害喘息訴訟の和解によって、向う5年間に国民や都民の税金と自動車会社の拠出金

200億円を使用して公害喘息患者の医療費の補助が行われる上に、東京都の公害指定地域に1年以上居住している喘息患者の医療費も無料にすると伺いました。

 公害喘息で苦しんでいる喘息患者に医療費の補助を行うことには賛成ですが、現在、日本の喘息治療のガイドラインとされている“喘息予防・管理ガイドライン2006”では吸入ステロイド剤をはじめとした対症的薬物治療しか行われていません。対症的薬剤費を向う5年間200億円を使って補助しても、喘息の根本的治療ではありませんから5年後には、より慢性化、難治化した喘息患者の医療費に200億円以上の補助金が必要となることは疑いありません。

 従って、和解金を向う5年間、より建設的に使用する最善の方法は、ダニ・アレルギーを根本的に治療するために標準化ダニ・ワクチンを使用したアレルギー免疫療法を直ちに始めることです。前記した私共の久我山病院に於ける経験から推して、この治療法によって小児喘息患者はほぼ100%治癒させることができるばかりでなく、多くの成人喘息患者の治療費の削減にもつながると思います。

 欧米の先進国、特に米国では、今から約30年前の1980年代の初めに、私が米国で開業していた頃に、既にダニ・アレルギーの根本的治療用に標準化ダニ・ワクチンが製造、市販されていて広く使用されていました。

 しかし日本では、ダニ・アレルギーが喘息の最大の原因であることが証明されてから

40年経ている今日でも、ダニ・アレルギーの根本的治療に絶対に必要なダニ・ワクチンは未だに製造も市販もされていせん。そこで、和解金200億円の一部を使って、米国から標準化ダニ・ワクチンを輸入してダニ・アレルギーを根本的に治療することを提案致します。それによって、多くの公害喘息患者のダニ・アレルギーを治癒させると同時に5年後までに公害喘息患者の医療費の大幅な削減が可能であると確信しています。

 以上、私の提案にご高配賜りますようお願い申し上げます。

なお、私の提案の科学的根拠として、2007年6月にメディカルトリビューン社から発刊されました拙著“日本のアレルギー診療は50年おくれている”をご参考までに同封させて戴きました。

敬具

久我山病院アレルギー科部長

長屋宏

久我山病院でアレルギー治療を受けている900名を超えるアレルギー患者を代表して長屋宏医師の提案を支持いたします。当会の活動は日本にアレルギーの根本治療法であるアレルギー免疫療法(最新の減感作療法)を広めることを目標にしており、その経緯は当会のブログ( http://alergybyas.seesaa.net/)に掲載しております。

                                            久我山アレルギー患者の会

発起人  as

2007年8月 2日 (木)

日本

相模原病院臨床研究センターセンター長に面談した議事録

訪問者 as,th
日時  2005年10月24日午後3時~4時5分
     注 :本文中「私」はセンター長 〔 〕内は長屋先生のコメント   
( )内は筆者のコメントまたは聞き取り不正確を示す。     
1.減感作治療は行われているが、現在ではそれよりもより根本的治療として免疫療法に中心が移りつつある〔? 減感作療法そのものが正しくは「アレルゲン特異的免疫療法」と呼ばれ、世界中で最も広く普及して行われている「免疫療法」である。減感作療法以外の「免疫療法」としては「抗IgE免疫療法」などがあるが、それは最近始められてはいるが普及の規模がまるで違う。〕喘息の場合には、気道の炎症をとること自体は吸入ステロイドが中心になっていてそれと平行してアレルゲンに対する治療として減感作をやっているので決して減感作治療がない訳ではない。
2 長屋先生の減感作治療=アメリカはアレルギー反応が出たものの中で重要なものは全部やるで、ヨーロッパではこういう方式をとっていない。たとえば、カシュウ(?)の場合でも主なものはダニであったりでヨーロッパでは一種のアレルゲンに侵かさている場合にのみ減感作をやっても良いとしており、方式が異なっている。〔良いとか悪いとかではなく、統計的に有意義であることを示すためにやり易い1種のアレルゲンの研究データしかないということ。〕
3 長屋先生が前々から言われていますが、アレルゲンの供給元が鳥居薬品一社しかないのでそれが問題で、我々はHolliester-StierとかGreerなどから取り寄せたりするが数が少なく、それでも我々のところでは35種類位の皮膚テストをやっています。〔35種類位の皮膚テストを行ってもアレルゲン特異的治療を行わないのでは何の意味ものない〕
4 血中抗体はRAST法(?)で測れますが、今の日本の風潮〔風潮ではなく病気の原因を取り除くことが必要〕としては喘息も気道の炎症であるということからそこにばかり目がいって原因のアレルゲンをどうするということには注目されていない。〔それが最重要、気道の炎症の原因は吸入しているアレルゲンであるから、それが何であるかを見出すことが重要〕
5 私のところの研究は一応アレルギー中心なので、まず原因アレルゲンをしかも血中に抗体があることイコール原因アレルゲンでは決してないので実際の気道のアレルギー反応に何がかかっているかを特定した上で例えば環境整備だとか減感作などをやっていくという方針であります。〔やっていない!〕
6 診断治療に使えるアレルゲンを増やせということが重要で、このことは厚生労働省にも言っていますし、また保険診療についても前々から出してはいます。このことは是非、患者さんの側からも出して戴くのが重要だと思います。
7 減感作治療についての長屋先生のやり方=アメリカ方式i.e. アメリカではAllergist=Shot Doctorと言われているように減感作をやるのがAllergistとされているが、反応が出たものは全部やるというやり方。ただ,それはなかなか難しくて、反応が出たものは全部やるというやり方と、もう一つは反応が出た中から血中のIg抗体で直接関わっていないものもあるので喘息に直接関わっているもだけを対象にする方法がある。例えば、アトピー性皮膚炎の場合は皮膚炎にはなるが喘息にはならない。〔どういう意味か? アトピー性皮膚炎では主としてダニが皮膚炎も喘息も起こしている。〕 喘息の基本は気管支に過敏性があること、そしてそれにアレルギーに対する反応があってそれが一緒になって喘息の原因となる。従って反応が出たものは全部やるというのは一般的でない。
〔下線部:喘息の基本である気管支の過敏性はアレルゲンによって起こるアレルギー炎症そのものが原因であるから減感作によってアレルギー炎症を抑制すれば過敏性も減少する。〕
8 アレルゲンの入手先が鳥居薬品一社しかないことにも問題がある。広瀬氏は36種類、筆者は34種類のアレルゲンにつき減感作を受けていることについて、抗原研究会を介して入手しているのだと思うが、鳥居薬品ではとてもこんなに多く取り寄せることはできない。(アレルゲン取り寄せの方法は抗原研究会を通しているのかについての質問があり、当方から何らかの入手の方法があるのではないかと回答した。)日本では使用承認がないと保険適用がなく、患者負担となるので経済的にも足枷となっている。保険適用のないものについては患者とのInformed Consentがベースであり、しかも抗原研究会の場合、今はアレルギー協会と言っているが、この場合、医者が医者の名前で買って患者から後で支払ってもらう仕組みだと思う。
9 米国で一般に使われているものは日本にそのまま持ってくるようにはなっていない。新しい抗原を日本でやるにはそれなりの治験が必要だとされている。米国のものをそのまま日本で使うには結局普通の薬と同じ扱いで、日本では治験をしてそれらが診断薬としての効果をみてから適用になる。そんなことをやっていてはなかなか進まないのだが、保険に載せる規準が難しく、だから我々の作ったものを患者とInformed Consentを交わして使っているのが実情。現実に米国で実用化されていても日本では承認されない。例えば、Epipenという抗アナフイラキシー用の自己注射用の食塩がスズメバチに刺されたときに効く治療薬としてアメリカでもヨーロッパでも医者に行くまでの治療薬として認められているのに日本では認められていなかったのが漸く認められた。このように認められていないものは個人輸入となっておりこの面での自由化が望まれる。〔メルク社から発売されている。〕
日本で診断薬として認められるには人種差もあるのでまず日本で治験をやって厚労省に申請して認められてという手続きを経て使えることになるがなかなかその基準が難しく承認が得られないのが実情でこれがネックになっている。(当方から米国は人種の坩堝故そこで認められたものをあらたにチェックする意義について疑問はないのかについて指摘したところ)海外で実際に実用化されているものをBridgingと称して海外のデータを日本に輸入するというようにはなってはいる。例えば抗原なんかではある意味ではそれが来てべらぼうに何十億何百億儲かる薬ではないですから大したものにはならないと思いますが。このような手続きを省略できれば問題解決になるので患者サイドからの働きかけも有意義だと思うとのこと。
10 多分、日本で戦後最初にアレルゲンが大きな問題だとされたが、競合がないことが指摘される。日本では未だにピュアーなダニが抗原=アレルゲンとして治療用には使えない。今日日本で使われているハウスダストにも問題がある。例えばハウスダストの中身は日本ではダニが主要成分でも北欧ではそうではない。日本でハウスダストとダニで減感作をやると反応は同じだが、世界的にはハウスダスト=ダニなどと言うのはとんでもないことになる。だから患者とのInformed Consentにより輸入して使っている。そういう抗原が沢山ある。そういう意味でも直ちに海外のものをそのまま輸入するには吟味が必要とされている。〔米国製の標準化ダニエキスはAllergy Unitsによって内容が検定されている。〕海外での治療で良くなったことなどは是非とも公表して厚労省に海外の抗原輸入を働きかけることは有意義だと思う。我々からは前々から抗原を増やしてくれるよう難病対策室へ言っているので患者さんからも言って貰えれば厚労省を動かすのに力になると思う。
11 筆者の米国での治療経験では、米国(カリフォルニア、インデイアナ、ミシガン各州)での医師の減感作治療法は共通して所謂マニュアルに従った方法を取っていた(先ず最初の2ヶ月間は週2回ペースで注射をし、次の2ヶ月は週1回、更に次の週は2週に1回と患者の反応に関係なく注射を減らしていく方法で、1度筆者は調子が良くないので週1回の時期に2度目を注射して貰うべく病院を訪れたところ看護婦から追い返された経験があります。)のに比べ、長屋先生の治療法は患者の症状に合わせた遙かに緻密なもので、患者の判断で週5回でも6回でも注射が可能で且、注射そのものも前回の反応を前提とした量で長屋医師自ら行いその反応を逐一自らの指で確認して次回に備えるという徹底した感作の見極め方を貫くもであります。従って、回数を増やすことによって短期間に改善が期待できるという希望も湧いてきます。注射も反応も全て看護婦を介して医師が診ていた米国での治療経験とはその正確性においても症状に対する即応性において格段の差があることに疑問の余地がありません。ここに「長屋式減感作療法」が患者の症状に合わせた緻密な治療たる所以があります。勿論、米国での治療は予防診療を何もやらない日本の一般的診療に比べれば遙かに有効と言うべきです。(秋山氏はそれでも長屋式治療法には全部やるという点で同意できないとしていた。)
12 今年、厚労省の疾病対策課の方でリウマチ・アレルギーの対策委員会を作って、私がアレルギーの対策検討会の座長となり、そこで簡単に原因アレルゲンを特定;血中抗体があってもそれはアレルギーを起こす原因の候補にはなっても原因そのものとは限らないので、最終的に粘膜のアトピー反応とかアレルギーを起こすかというのは現時点では(吸入吐)試験しかない。これは患者にとって不快そのものといっていいしまた危険も伴なうが、出来るだけやりたくないがこれしか方法がないのでこれをやって、それに代わる方法がないか我々のところで今検討している。〔皮膚テストとRAST=特定の食物アレルゲンに対するIgEを測る血液テスト=が粘膜のテストと一致する論文は1978年に私共が発表している。この中では次ページに書かれている
(1)ヒスタミン遊離試験(血中好塩気球からの) 
(2)粘膜誘発試験 
(3)RAST(血中のアレルゲン特異的IgE抗体) 
(4)プリックテストが全て相関することを証明している。〕
例えば眼反応で結膜に抗原をさらすことによって反応をみるなどやるがどうしてもinvisibleであり、そこで血液を採ってラストでは血中抗体だけなのでヒスタミン遊離反応といって白血球の中の好塩基球に抗原をかけることによってヒスタミンが出てくる〔血中好塩基球によるヒスタミン遊離試験は我々も27年前に行っているので何も新しいことでも何でもない。〕、それは抗体よりももう一歩先のRecepterというか免疫反応で最初感さされたIg抗体が出来て細胞にくっついてそこに抗原が2度目に来たときにでるヒスタミンを抽出するというそこのところをみる検査が出来るようになったが、ここでも使える抗原が10種類位しかない。抗原に関しては国の内外で共通のものがあるのでそういうものについては海外からもってこれるようになってもらいたい。米国の実際の治療法をそのまま持ってくること(当方強調)のためには政治・行政のシステムを変えて貰わないとできないように思える。(リセプター)というもので日本で敗血症が多くなったということについて海外では何でそんなことになるんだということもあって、ただ抗原に関しては向こうのものと日本のものと違うものもあるが同じものについては是非使いたいし是非使えるように進めていきたい。
13 小児の喘息がよくなったということについては過敏性がなくなったということでは必ずしもない。減感作だけで治ったということについては矢張り過敏性が残っているので吸入ステロイドも使わなければならない。喘息が治ったかどうかについては基本条件は過敏性にあるので過敏性がとれれば治ったといえるが減感作をやめる時期については、やめてから30ヶ月のうちにアレルギーが出るか出ないかがひとつのポイントになるようである。いずれにせよ減感作と同時に吸入ステロイドが必要である。〔減感作によって過敏性が減じる。〕
14 減感作治療の重要性は最近見直されつつある。
広瀬氏の例では、170種のアレルゲンテストの中から36種に反応が出てそれを全部減感作注射をはじめ最初に喘息が治り次に手のアトピーが治った。4本の治療液で最初は5万とか50万分の1の濃度から始めていき最後は50分の1というように。これにつき秋山氏は50分の1というのは5種類混ぜているという意味で、ハウスダストは10倍液との説明。広瀬氏はこれまでの5年間で580本うった。熱心に注射に通っているので治ったように感じ、今はフルタイドもつかっていない。〔広瀬氏は吸入ステロイドを使うように勧められている。〕これについて秋山氏から過敏性が残っている場合には炎症をとめるために吸入ステロイドが必要とのアドバイスあり。減感作自体も過敏性にある程度影響するけれども吸入ステロイドの使用を薦めている。
15  広瀬氏より、このように良くなったので何とか長屋先生の後継者を作っていただきたいと願う気持ちが強まっている。医学界としてこのことを考えてもらいたいと思いを披瀝した。
16 減感作をやるという点では決して否定はしない。ただ全部やるかについては疑問が残る。〔どんな疑問?〕 
今までは減感作治療がなぜ効くかのメカニズムが判らなかった。その理由は、ひとつはアレルギーを起こすIgE抗体に対抗するIgG抗体を作ることによって反応を抑えるとされたが、ただどうもこれは?になってきて、今はピーフェルというリンパ球の働きをどうするこうするなどといわれるようになっているが、どっちにしても減感作療法、さらに進んだ免疫療法というよりTH1,TH2のバランスをやるためにいろんな科学的modifyしたものを使っている。〔やや古い。最も有力な説はRegulatory T cell(Treg)を誘発(induce)すること。これは抗原特異的でアレルゲンの注射量に比例して有効!〕
17 長屋方式ではないが減感作療法は特に花粉症治療については他でもやっている。
 例えば、理化学研究所ではより効果的な減感作というか免疫療法をやっている。
 小児については室内に長くいるのでダニ予防に環境整備だけでなく減感作も必要。
減感作、免疫療法のやり方は違っても抗原をより多く使えないと治療にも制約があるので、出来るだけ多く使えるよう患者さんの方からも政府に働きかけて欲しい。
政府は患者さんの声を無視できないと思うので是非働きかけてもらいたい。
今回のお話は我々と方向性が同じであることがわかった。抗原がもっともっと多く使えれば減感作治療も盛んになると思う。
現在行われている減感作としては:
・ スピード減感作とか        ――〔副作用の危険性〕
・ 日本医大の大久保先生(スギ花粉) ――〔舌下療法は喘息には効かない〕
・ 埼玉医大内科で減感作をやっている――〔未だにハウスダストを使っている。
Evidence-based Medicineに逆行している。時代遅れも甚だしい!〕
・ 新橋西口のビル3階ではアレルギーセンターでは信大先生、奥田先生
・ 昭和大学医学部でも減感作をやっている〔ハウスダストのみでやっても効かない。〕
以上のようにやり方は違うがやってない訳ではない。〔50年昔のやり方でやっても無意味、この点を改善すべくこの運動をしているのではないか!〕
我々のやり方ではアレルギー反応が34種類に出たからといって全部について減感作はやらない。〔だから有効な治療ができないと言っているのではないか!〕喘息にはICが関与していないものもある。アトピー型のように。それはIG以外に適用を考えなければいけない。〔大多数はアトピー型〕
18 最近の研究ではあるものに対する減感作をやることによってTH1/TH2のバランスが正常化しそのことによって他のものにも効くというのもありその意味で何も全部やる必要はないんだという考え方もある。〔「考え方」ではなく「実効」があるかないかが問題である。〕いろいろな考え方があるので長屋式だけが唯一の方法として進めることには同意できない。〔色々な考え方があるから、常に考えてばかりいて何もしないでいるよりは実効がある米国式減感作を今すぐ行って1人の患者でも助けた方が良いし、日本のアレルギー治療を推進する中心人物がこれでは、患者は永久に浮かばれない。〕これらは実効性も確認されており、実は総合科学会議の中で内閣府の花粉症改革の場で話したが、一般的な減感作療法は効果もあるが場合によってはアナフィラキシーも起こすので、そういうものを起こさない抑えるけれどもアレルギー反応を起こさないような治療法ペプチドセラピーという抗原を小さく切ってやる治療とか〔実験段階のもので10年以上話題に上っても実際の臨床には未だに利用されていない。ペプチドでは多くのペプチド抗原を作る費用が膨大で実用化は程遠い。〕、また同じ減感作でも、減感作の基本は副作用の出ない最も大量の抗原を使うことだから、やはり全身に副作用を起こす危険をともなっている。その危険がない方法として、大量の舌下減感作を千葉大でやっている。この場合には大量の抗原を使うのでお金の問題がある。あとはCPGといってH1/H2にシフトさせるような抗原をつけて注射をすることで短期間で何年にも亘らないで(アメリカでもブタクサでやっている)6回位で数年持たせる方法が開発されつつある。〔全て日本での実用には何年かかるか、40年以上前から分っている。ダニ抗原すら実用化されていないのに!〕
しかし、以上の研究はいまだ実用化にいたっておらず、現時点ではやはりConventionalな減感作治療に頼らざるを得ない状況にある。
19 抗原について日本で標準化されているのは杉だけである。
 吸入ステロイドはアトピー性であろうとノンアトピー性であろうと喘息の原形は気管の好酸球性の炎症であると好酸球性炎症がくるときにアレルゲンからIg抗体を介してくるときとほからくるときがある。好酸球性というところが共通、しからばその共通のところを治療すればいいということになる。〔好酸球はアレルゲンに反応して現れるので好酸球は二次的に炎症を起こしているので原因のアレルゲンに対する直接の治療が必要。〕しかもこの方法は手間もかからない。それが自宅でできるようになってくれればと思っている。〔?〕
結論として、我々訪問者の感想は、いずれの治療法にしても抗原が足りないということが現在の日本に於ける最大の問題故厚生労働省に対して訴えることとしたい。   
以上

2007年7月 5日 (木)

久我山アレルギー患者の会設立趣意書

表記について未だブログに載せていなかったことをお詫びしてここに掲載いたします。
           久我山アレルギー患者の会発起人  as
日本に於けるアレルギー治療の改善を訴える患者の会
(久我山アレルギー患者の会)
                                                   2005年5月
                                                      発起人

一 本会設立の趣旨 
近時、日本では、特に春先に大量の花粉が全国を飛散・猖獗を極め、多くの国民がこれに的確に対応すべき医療を受けられずにアレルギー症状に悩まされ続けてきています。花粉症に悩む人々が年々増加し今日では国民の3割に達するといわれています。
花粉症は現在では全国的問題となっているにも拘わらず、厚生労働省および日本の医学界はアレルギー治療の根本的な対策をとっているとは思えません。厚生労働省の承認の下に日本の医学界によって現在国内で広く行なわれている不画一・千差万別の治療実態では対処できなくなりつつあることを問題とせざるを得ません。
現在の日本のアレルギー治療の実態は、アレルギー疾患への対症療法に中心がありアレルギー疾患そのものの予防治療については未だ端緒についたに過ぎないのではないかと思われます。米国では花粉に対してだけでも64種類のスクラッチ・テスト溶液と減感作治療液が現在実際に医療機関によって使われているのに対して、日本では厚生労働省によって認められている日本製のスクラッチ・テスト用液は12種類また減感作用治療液は4種類に限られているなどテストはできても対応する治療液がないなど、現下の日本のアレルギー治療のレベルは世界の先進治療の潮流の中で明らかに遅れており、この遅れた日本の医療事情を早急に改善させ、日本のアレルギー疾患に対する治療なかんずく予防治療を欧米並みのレベルに引き上げて貰いたい。
このアレルギー疾患の根本的な予防治療法として、欧米では既に半世紀以上も前から減感作治療法が主流として定着していると聞いておりますが、日本では全くといって良いほどこれが実施されていないのではないでしょうか。むしろ根本的な予防治療は大半の医療機関で無視されているといえるでしょう。アレルギー症状の根本的治癒を齎らす治療法を一刻も早く日本の医学界が採用して厚生労働省のバックアップ(保険上の対応も含め)のもとに国民をアレルギー疾患及びそれを原因とした皮膚疾患・呼吸器系疾患等の苦しみから解放される状況を創出すべきであります。
我々患者の会は、今日の医療環境の中で長屋宏医師のもとに、この減感作治療を基本にした長屋先生の緻密な患者個々の症状に応じた治療(以下、「長屋式減感作療法」)を受けてきており、その結果、その治療を長期且つ継続的に受けている我々患者の多くがアレルギー疾患から解放されつつあります。
その患者数については、長屋医師が米国から帰国してこの治療を開始されたこの15年間に延べ人数が1000人を超え、患者の居住範囲も久我山近辺に止まらず、静岡、愛知、大阪、沖縄に及び、現在も毎週ベースで治療を受けている患者数は100名を超えている状況であります。長屋医師が一人で対応できる限界を超えるこの患者数は如何にこの治療法がアレルギーに悩む我々患者達の苦しみを取り除いてくれているかを物語っています。このことをできるだけ多くの国民に知って戴きたいと願っております。
この治療法は日本で通常受けられる他の如何なる治療とも全く異なっており、これによりアレルギー症状に悩む国民が健康上且つ経済的にもより快適に過ごせる日本のアレルギー医療環境レベルを享受できるようになることを期し、この目標を一刻も早く実現させるため我々アレルギー患者自身が立ち上がる必要を感じます。
我々は前述のアレルギー治療の改善を目途に「長屋式減感作療法」を厚生労働省・日本医学界・マスメデイアに働きかけるため本会を設立するものであります。
二 当面の本会の具体的目標    
1 前提 
本会は「長屋式減感作療法」をアレルギー治療法の改革目標として全国へ広め且つその治療の担い手が途絶えることなく排出してくれることを当面の具体的目標としたいと考えますが、その理由はこの治療法が我々患者の受診経験のなかで最良の結果が出ていると感じているからであります。
2 米国での実情 
米国では減感作療法がアレルギー免疫療法として確立されておりますがそれはどちらかといえば画一的・マニュアルどおりの治療をすべての患者に当てはめているようであります。事実、花粉症のメッカといわれる米国中西部での筆者の経験でもこの地方で受けた治療の多くは画一的・マニュアル型治療であったことを敢えてここに指摘したいと思います。この経験から、確立した減感作治療を行う米国においてすら直ちに「長屋式治療法」ほどの緻密さが治療実態として一般化しているとは言えないのではないかと思えます。
3「長屋式減感作療法」の定義
「長屋式減感作療法」は、2つのカテゴリーに分れ、その第一は対症療法であり、第二が予防治療であります。対症療法では投薬治療により現に患っている苦しみを軽減することを目的としています。この治療法は現在日本で広く行われていると思われます。しかしこれは単に苦しみを和らげるだけでその苦しみの拠ってきたる原因の除去につながる治療ではないのであります。この原因の除去を目的とする治療がまさしく「長屋式減感作療法」の第二のカテゴリー即ち予防治療であるアレルギー免疫療法であります。
「長屋式減感作療法」は、米国で現在確立実施されているアレルギー免疫療法をさらに進化させた長屋先生独特のきめ細かな減感作治療法であります。長屋先生の治療法は、最大100種類を越えるプリック・テストに基づく患者各個のアレルギー症状に応じた注射液を作るところから始め、その日々の症状に応じた適量の注射液の投与とその反応に合わせた対応というきめ細かな治療を長期に亙り粘り強く行うものであり、これを症状にあわせ週2回を基本に行い、液の投与蓄積量が増すにつれその効果発生の長短は個人差はあるが確実に顕れており、このことは、以下に示される患者の実体験でその証明が窺い知れるところであります。共通して最重要といえることは患者側のこの治療を続ける長期に亙る堅固な意思であります。何故ならこの治療は継続的に通院が不可欠であるうえに即効性に欠けるが故に惜しむらくは少なからぬ患者がこの治療法に見切りをつけて辞めてゆくケースが少なくないのであります。けれども、辞めていった患者のなかにはこの治療に復帰している患者(筆者もその1人)も少なくないのではないかと思われます。
三 症例
  (花粉症)50歳の主婦
三十代半ばから花粉症を患っていたが平成9年長屋医師の治療をTVで知りこの治療を開始して7年の後マスクも頬かむりもしない普通の生活をおくっている例。
  (慢性気管支炎・喘息)66歳男性
当初毎日呼吸困難で死を覚悟していた状態で長屋先生の治療を開始したが目立った成果を感じずに何度か辞めかかった後、結果的に8年続いた治療の暁に毎週1~2回の通院と1日1~2回の吸入をするだけでほぼ普通の生活に復帰し、イネ科の花粉アレルギーがあるにも拘わらず毎週ゴルフを楽しめるほどに回復している例。
(アトピー性皮膚炎)34歳の女性会社員
アトピー性皮膚炎を30年も患い他の複数の医療機関でさじを投げられて長屋医師を訪れた患者の症状が2年で軽快し現在皮膚科の世話にならないで済んでいる例。
(気管支喘息)34歳主婦
中学2年に気管支喘息と診断され以後喘息の苦しみに苛まれ幾多の医療機関・漢方医の治療で成果なく、この治療を開始して7年の後現在普通の生活に復帰している例。
以上、現在長屋医師のもとで確実に回復しつつある症例は枚挙に暇がありません。
四 厚生労働省への具体的要望事項
  (具体的要望の背景)長屋先生はいまだに矍鑠としてはおられるとはいえ御高齢故に、患者のなかには現在の治療をいつまで受けられるかに不安を感じ、後継者ができるだけ多く輩出し日本国中いつでも何処でもこの治療を受けられる環境の実現を願う気持ちが高まっております。従って、我々患者の会は特に次の二点につき可及的速やかに実現すべく要望したいと考えます。
(第一の要望)「長屋式減感作療法」を全国に敷衍させるため、アレルギー学会が後継者育成に力を注げるようバックアップしてもらいたい。
(第二の要望)「長屋式減感作療法」は米国での治療を日本で実現するものであり従ってそれに必要な米国製のテスト用と治療用エキスが必要であります。これらは日本アレルギー協会を通して入手可能でありますが、現在保険でカバーされていないため自己負担が基本となり、このような患者の経済的負担軽減のため保険対策を実施してもらいたい。    
上記を当面の目標として我々久我山患者の会は会員メンバー一致結束のもと活動を開始することとしたい。
以上                                         

2007年5月13日 (日)

より良いアレルギー医療のために

長屋宏医師のアレルギー治療法を以下に分析します。日本で現在行われている減感作療法と似て非なるものであり、また米国の最先端の治療法を凌駕する世界一のアレルギー治療法であると断言します。

平成19年5月

長屋式減感作療法の真髄

                      久我山アレルギー患者の会

                              発起人

長屋式減感作療法とはどのような治療法であろうか。

1.はじめに

 東京都世田谷区所在の久我山病院アレルギー科部長長屋宏医師による「長屋式減感作療法」とはどのような治療法なのかについて一患者の立場からその治療法の真髄と思われる治療構造を述べたいと思う。その理由はアレルギーの治療法であるこの「長屋式減感作療法」が久我山病院において、2007年5月現在、これまでの16年間に1000名を超える花粉症、アレルギー性皮膚炎、更には喘息などの重篤なアレルギー疾患の患者を快方に導いてきた治療法だからである。この治療法が如何にアレルギー患者に軽快への光明を与えてきたかの原因究明を試みるに当たり、まず二つの点について明らかにされなければならない。その一は日本の従来の減感作療法との違い、その二は米国において現在行われているアレルギー免疫療法との違い、についてである。

2.日本の従来の減感作療法との違い

ⅰ.長屋式減感作療法を説明するにはまず第一に、日本の従来の減感作療法

(以下、「減感作療法」と定義。)との違いについて述べる。

「減感作療法」は1958年に東大物療内科において初めて行われたとされるハウスダストによる治療法である。しかしこの治療法は今日に至るまで殆んど改良されることなく行われてきているという点がまずもって明記されなければならない。長屋式減感作療法を知るにはこの点との違いを把握することが必要である。

ⅱ.アレルギーの原因物質を知るための皮膚テスト

そもそも、アレルギー患者にとって最も重要なことは、その患者にアレルギー症状を起こしているアレルギーの原因物質(医学的にはアレルゲンと呼ばれる。)が何であるかを知ることである。そのためにはアレルギーテストを行ってアレルゲンを確認しなくてはならない。アレルゲンの確認は血液テストによっても可能であるが、皮膚テストの方が血液テストよりも感度が高いので、血液テストだけを行って皮膚テストを行わないと、原因アレルゲンを見逃すことが少なくない。

ⅲ.皮膚テスト用及び治療用のエキスと日本の現状

従って、正しいアレルギー治療を行う第一歩はアレルギーの皮膚テストを行うことである。そのためには適切な種類と数のアレルギー皮膚テスト用のエキスが製造且つ市販されている必要がある。アレルギー病の代表とも言うべき花粉症を例にとってみても、日本で現在花粉アレルギーに対する皮膚テスト用のエキスとして日本で製造されて厚生労働省の承認を受けて市販されている花粉はスギやブタクサを含めて僅か12種類しかない。それに比べて米国政府の厳重な検査を受けて米国で市販されている花粉に対する皮膚テスト用のエキスは60種類以上ある。重要な点は日本のスギ花粉症患者の99%はヒノキ、ニレ、カシ、モクセイなどスギ以外の木の花粉に対してもアレルギー反応を示し、86%はスギ花粉と同時に飛散する多くのイネ科の草の花粉にも強いアレルギー反応を示している。しかし日本ではヒノキ、ニレ、カシ、モクセイや多くのイネ科の草の花粉に対しては皮膚テスト用のエキスは全く製造も市販もされていないから皮膚テストさえも行うことができない。もともと花粉アレルゲンに対して皮膚テストを行う理由は、万一アレルギー反応があった場合には花粉を完全に避けることは不可能であるから花粉に対してアレルギーを起こさない免疫を作る治療即ちアレルギー免疫療法(減感作療法と同じ意味だが「減感作療法」の進化したもの)を行って花粉症を治療するためである。しかし日本にはスギ花粉以外のヒノキやカモガヤなど前記した春の花粉症の主な原因である木々やイネ科の草の花粉に対しては皮膚テスト用のエキスがないだけではなくスギ花粉以外のヒノキなどの木々の花粉やカモガヤなどのイネ科の草の花粉に対する治療エキスも全く市販されていない。もっと重要な問題は、日本でもハウスダストがアレルギーを起こすのは家のホコリに含まれているヤケヒョウヒダニとコナヒョウヒダニと呼ばれるダニが原因であることが40年前に証明されたのに未だに内容が全く不明なハウスダストのエキスが50年前と同様に喘息や鼻炎の減感作治療(「減感作療法」)のために使用されていることである。それに対して、米国ではダニを無菌状態に保って100%純粋なダニのエキスを作るだけでなく、そのエキスにはダニのアレルギーを起こす20種類以上のタンパク質が含まれていて減感作治療が安全且つ有効に行われるように標準化されていることである。このように過去50年近く日本の「減感作療法」は殆んど改良されることなく放置され続けてきたので期待された効果が出ず日本では次第に「減感作療法」は効かないものという常識が専門家の間ですら蔓延るようになり、今日に至っている。

3.米国において現在行われているアレルギー免疫療法と長屋式減感作療法

これに対して、欧米において現在広く行われているアレルギーの治療法は、特に米国に於いて日進月歩を遂げてアレルギー免疫療法(「減感作療法」の進化したアレルギーの治療法)として確立し現在に至っているが、長屋式減感作療法はこのアレルギー免疫療法を更に緻密な個別患者対応の治療法として確立された長屋医師独自の治療法である。それは端的に言って個々の患者のアレルギー反応に応じて作られた必要にして十分な治療液を使った治療法であるためにアレルギー症状の改善に顕著な効果を発揮しており、他の専門病院(同愛記念病院を含む)でどんな治療を受けても回復できなかった重篤なアレルギー患者がここ久我山病院の長屋医師の治療で快方に向かっている。軽快のための必要年月は数年から早いものでは1ヶ月という患者のケースもある。このことをできるだけ多くの人々に知っていただきたいと思う。「必要にして十分な治療液」とはアレルギー患者がアレルギー反応を示す全ての主要なアレルゲンを含む治療液という意味である。

4.長屋式減感作療法の背景とその構造

ⅰ.標準化された全ての主要アレルゲン(抗原)の採用

米国には標準化されたアレルゲンを含む100種類を超えるアレルゲンが入手可能であり、米国内の医療機関においてはそれらのアレルゲンを駆使して何時でも何処でもアレルギー患者はアレルギー免疫療法を受けることができると聞いている。

付言するが、米国のテスト・治療液は異民族を対象とした米国民向けに標準化されており、勿論日本人にも標準化されたものと言えるであろう。

現在、日本では入手可能な国産のアレルゲンの種類が少なく、長屋医師は必要なアレルゲン(アレルギーテスト・治療液)を日本アレルギー協会を通じて米国から取り寄せている。従って、長屋宏医師の治療では「必要にして十分な治療液」が使われていると言える。ここに長屋式減感作療法の真髄がある。

 ⅱ.長屋式減感作療法の根底にある米国に於けるアレルギー免疫療法の実情

長屋式減感作療法は長屋医師が米国で行っていた治療法である。しかし、筆者が米国で他の医療機関で受けた治療法とはすこし異なっていた。米国で広く行われているとされるアレルギー免疫療法、これを筆者はカリフォルニア州、インディアナ州、及びミシガン州において受けていたが、その治療法は次のようなものであった。

まず、最初に①問診により検査対象としておおよそのアレルゲン(20~

150種類)がピックアップされそれらによる皮膚テストによって対象アレルゲンを確定し、次に②何らかのフォーマットに従ってその確定されたアレルゲン(因みに小生の場合は加州で46種類、インディアナ州で0、ミシガン州で38種類)の混合注射液の注射が始まった。そのフォーマットとは次のようなものであった。初めの3ヶ月は週2回、次の3ヶ月は週1回、その次の2ヶ月は2週間に1回、というように漸次注射の回数を減らし、間隔をあけて行くというやり方であった。その間注射の反応は見ることなく、注射後15分間待合室で様子を見た上で看護婦の所見により特に異常がなければ帰宅を許されるというものであった。小生は一度週1回の注射の時期に2度目の注射を求めて来院したことがあるがその時は看護婦から「あなたは今週はもう1回注射していますから来週まで注射はできません。」と追い返されたことがある。一定のフォーマットに従って注射をするという治療法が確立しているようであった。

ⅲ.長屋式減感作療法確立への契機

これに対して長屋宏医師の治療法は少し異なっている。米国で小生が体験した治療法との比較で述べると次のようになる。

まず上記①については同じである。しかし②が異なっている。

長屋医師は30有余年の米国大学でのアレルギー医療及び臨床研究の成果・ノウハウを結集して始めた治療法は米国で普通に行われている治療法を踏襲していない。むしろ踏襲できないところから始まったというのが正鵠を得ていると言えるであろう。長屋宏医師がロスアンゼルスで初めて診療所を始めたとき他のどのアレルギー専門医も使っている看護婦を雇う資力がなかったという。

4.長屋式減感作療法の原点

診療所を始めた当時、長屋医師はカリフォルニア大学の教授であった。

ここで余談になるが、米国では州立大学教授の特権としてその子女が州立大学へ入学する場合学費の免除が許されている。長屋医師の娘さんが高校3年になって大学受験を目指した時期、スタンフォード大学(米国で現在女子ではナンバー1と言われる私立大学の名門でその学費・寮費などを合わせると年間で約3万ドルかかる)への入学が許されていた。大学教授の年収(約3万ドル)ではその願いを叶えることは不可能であった。そこでわが子の学資を稼ぐニーズに迫られ、診療所を始めることを思いついたという。しかし自らの収入では秘書以外に看護婦を雇う余裕はなく、そのために、長屋医師は自ら看護婦なしで治療する方法を考案することとなった。ここに長屋式減感作療法を始める原点があった。

5.長屋式減感作療法の緻密な個別患者対応型治療法

長屋医師は米国式のアレルギー免疫療法を行いつつ看護婦ではなく自ら反応を診るという方法で診療を行い個々の患者の反応を観察することとなった。その後1990年に帰国して始めた久我山病院での診療では米国から必要なアレルゲンを取り寄せ個々の患者に合わせた治療液を作りそれを中心にした治療法を実施することとなる。今日長屋医師の治療を受けている患者にとっては説明するまでもないが、まずは長屋医師自ら個々の患者用の治療液を作り、その液を中心に日本で可能な治療液と共に50万分の1、10万分の1、5万分の1、5千分の1、5百分の1、50分の1の濃度の液を作り、それを薄い順に注射し、患者の注射局所の反応を診ながら次回の注射の濃度・量を決めて行くという緻密な個別対応型の治療法である。米国で普及しているフォーマットに従った患者一般に適用される方式とは異なる個別方式による治療法のスタートである。この方法では特に注射の間隔は必要ではなく患者が自らの必要・都合に応じて何時でも注射を受けることが可能であり、その注射された液の量の積み重ねで症状の改善が期待されるというものである。この治療法は患者個々の症状・ニーズに応じて短期間で症状の改善の可能性が期待でき、短期間で重篤な喘息患者が軽快するという例ももたらしている。

一般に減感作療法が何故にアレルギー症状を軽快させるかの科学的根拠は長屋宏医師によって近々出版予定の「日本の減感作療法は50年遅れている」という著書に明快に述べられている。

6.米国のアレルギー免疫療法を凌駕する長屋式減感作療法

以上、述べたごとく長屋式減感作療法は旧来の「減感作療法」と異なり、また米国で今日普及しているアレルギー免疫療法に基づきながらこれとも異なる、個々の患者を見据えた緻密な個別対応型治療法であり、それ故に患者にとって最大限の効果が期待される治療法ということができる。米国のアレルギー免疫療法(Ⅰ)は汎用性のあるフォーマットにより患者の個別性を超越した医師にとって簡易な治療法であるのに対して、長屋式減感作療法(Ⅱ)は患者の症状の個別性に注目した治療法であり、その治療効果には大きな開きがあるのは歴然としている。正に、青(Ⅱ)は藍(Ⅰ)より出でて藍(Ⅰ)よりも青し、との格言が当てはまるのではないかと思う。

«2月6日厚生労働省に行った陳情の議事録