第14回アレルギー週間中央講演会に出席して
第14回アレルギー週間中央講演会への感想
及び
日本アレルギー学会・厚生労働省への提言
久我山アレルギー患者の会発起人
今回の基調演説の演者は4名で、何れも現代日本におけるアレルギー疾患治療について中枢的な立場にある学者である、とのことでありました。しかし、4者いずれにも共通であったことは、アレルギーの原因を究明せずに疾患が起きるとその都度、薬物(主としてステロイド)による対症療法をするということに終始していた点であります。なぜアレルギーが起きたかの原因を究明し、そしてその原因を根本的に治癒するための治療を行うことが欠落しており、従い、根本的な治療を全員が避けているのではないか、という疑問が沸々と湧いてこざるを得なかった。
プリックテスト(スクラッチテスト)や血液テストによるアレルゲンの特定がまずはじめに行われ、特定されたアレルゲンについて免疫療法(減感作療法)による治療によって久我山アレルギー患者の会の900名を超える患者たちはこの15年間に全て快方に向かっています。一刻も早く、このような治療が日本の何処ででも可能となるよう望んで止みません。
小生が提示した、WHOがアレルギーの根本治療法と認定していると聞くアレルギー免疫療法がなぜ日本で普及しないのか、否、普及させないのか、との質問がパネルディスカッションでとりあげられました。しかし、それに対する演者の回答は、①日本にはスギ花粉以外の抗原がすくないこと、②各種の抗原の標準化に莫大な費用と時間がかかること、③減感作療法はアナフィラキシーの危険があり、且つ効果のある場合でもその治療効果に1年半から2年という長時間がかかること、④減感作療法よりも安全で効果のある吸入ステロイドが開発されていること、⑤減感作療法は医師にとって採算に合わない(保険点数が低い)、などという理由でアレルギー免疫療法は否定的に受け取られました。
これらについて、小生の考えは次により反駁しつつ、現在苦しんでいるアレルギー患者を一刻も早く救うべく、WHO認定の根本治療法であるアレルギー免疫療法を広めるための医療改革の実現に向けて、厚労省および医学界の勇断を求めます。
そもそも、日本ではWHOがアレルギーの根本治療法と認定しているアレルギー免疫療法の代わりに根本療法ではない対症療法としての薬物療法(吸入ステロイド)が有効な治療法として一般に普及しておりますが、この治療法はアレルギー(気道炎症)を抑えるという根本治療ではなく、彌縫的な対症療法であることを学者が理解していない乃至理解したくないと思われることに最大の問題があります。
まず、上記①②の問題については、日本で抗原が少ないのは厚生労働省、医学界がこれまで抗原の開発を怠ってきたためであり、そのツケが多くのアレルギー患者が苦しむ結果となっているのです。これを即効的に解決する方法があります。それはアメリカから標準化された抗原をそっくり輸入することです。これを政府によって行い、全国に保険適用レベルで実施することです。アメリカでは既に標準化されたダニ、ネコ、イネ科の草の花粉の抗原ができており、これらによってアレルギー免疫療法が普及しております。小生は10年を超える米国滞在中ぜんそく患者としてこの恩恵に浴しておりましたが、帰国した途端にこの治療を断たれ、死の恐怖に苛まれました。さいわい、日本で唯一この治療法を行っている東京世田谷区の久我山病院を見つけることができ、その治療で健常者と変わらぬ今日の生活を取り戻しております。
政府、学者はアメリカの抗原は日本人に合うか検証が必要と言うでしょうが、これは偏狭な国粋主義的な考えに基づいた捉え方ではないでしょうか。アメリカでは多民族国家を前提とした米国民全てに適用できるものとしての標準化抗原を開発しており、小生自身、アメリカから輸入された34種類の抗原によって治療効果を得ております。ここ久我山病院のアレルギー患者はすべて長屋宏医師のもとでアメリカの標準化された抗原によって治療効果を実証しております。久我山病院ではこの治療法で過去15年間に900名を超える患者がこの治療の恩恵に浴し、この間アナフィラキシーなどのショックは一度も起きていないことをお伝えいたします。アレルギーに苦しむ患者のために一刻も早く抗原輸入を政府レベルで実施し保険適用していただきたい。日本での独自の標準化抗原の開発のための時間をかけている間にアレルギー患者は根本治療から見放され、一時的、彌縫的な薬物による対症療法に放置され続けることは日本のアレルギー学界の歴史にとって禍根を残し続けることになるということに気づいていただきたいと思います。
次に③についてですが、前述のとおり、少なくとも久我山アレルギー患者の会の900を超えるメンバーがこの16年間にアナフィラキシーを起こしたという例はないと聞いております。今回の演者の1人が舌下減感作を安全な治療法として推奨しておりましたが、むしろ、この方がアナフィラキシ-の危険が大なのではないかと思いました。なぜなら、減感作療法では微量の抗原で治療が進むのに対して、舌下減感作では一度に大量の抗原を使用すると聞いているからです。そのような危惧から、喘息患者に対しては舌下減感作を行わない人が殆んどと聞いております。
次に④についてですが、ステロイドは有効な治療法といいますが、これは一時的に気道炎症を抑えるだけで気道の過敏性の原因そのものを減殺する効果はないのではないでしょうか。標準化されたダニを使用したアレルギー免疫療法によって持続する気道の過敏性が抑制されることは、多くの研究によって既に証明されていると聞いております。(長屋宏先生の著になる「日本のアレルギー治療は50年遅れている!」参照)
さらに、⑤については、医学会がその気になれば保険点数はいつでも改正できるのではないでしょうか。我々、アレルギーに苦しんでいる患者を薬漬けにするだけでなく、アメリカと同程度のアレルギー免疫療法という根本治療法を一刻も早く全国レベルで実現できるよう切に望みます。
以下に私が作成した第14回アレルギー週間中央講演会の議事録を掲載いたします。


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